ASEAN労働移住の管理向上を約束

公式文書 | 国際連合は1990年12月18日、すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約を採択しました。その後10年間、ASEAN市民社会はこの日を国際移住者デーとして守ろうという機運を牽引しました。12月18日は、移住労働者の献身に光を当て、彼らの声を世間に届けるために、移住者の人権が前面に押し出された日です。

我々は現在、ASEAN地域の移住労働者の権利の保護に関してどれほど進歩したかについて、また、安全で有益な移住を確かなものにする際に残されている問題について再考しています。

国際連合による最新の統計では、ASEAN諸国出身の移住者は2,020万人で、ASEAN地域内での移住者は690万人となっています。全経済セクター、およびこの地域の繁栄は、これら移住労働者の生産性と所得次第と言えるでしょう。

けれども、その見返りは公正とは言えず、移住労働者・雇用者・人材採用業者の間でも差があります。ASEAN地域内で移住する人々の大部分が、高い技術を持たない移住労働者ですが、彼らの立場は虐待や搾取に対して非常に脆弱なままです。また、「女性の仕事」は軽視されており、女性が得られる仕事の労働保護措置が未だ不十分なため、特に虐待や搾取のリスクの影響を受けやすいのは女性移住労働者です。

国際労働機関と国際移住機関が発表した国際移住デーについての共同研究では、移住労働の公平性と、ASEAN地域内の包括的、かつ継続的な成長と発展への貢献度を高めるために、更なる活動が必要だとされています。

ベースラインを構築し、そこから目標に向けての進捗状況を把握するため、この共同研究をもとに移住成果の指針を作成しました。この指針は、国家財政にプラスとなった金額の規模に重点を絞るのではなく、社会的・経済的に関連する成果をバランスよく取り入れ、移住によってもたらされる成果の計測の幅を広げています。

研究報告ではその結果に基づき、ASEAN諸国内の労働移住の管理に関して、いくつかの重要な改革の提案をしています。
一つ目は、労働者から雇用者に支払う雇用手数料の改革です。移住労働者は農業、製造業、建築業、土木業など、ASEAN地域だけでなく世界中で人々の生活に欠かせない労働力を提供しています。

雇用手数料の徴収を積極的に行っているのは、人材雇用業者や仲介業者で、たいてい彼らは法外な額の手数料を移住労働者に請求します。つまり、現在の移住労働者雇用のモデルは、労働者の搾取というものに大きく基づいており、移住労働者が労働者不足を解消し、重要な役割を果たしていることを考えれば、このことは公平であるとは言えません。まともな職に就くためにお金を払うべきではないのです。

国際労働機関・国際移住機関の調査ではマレーシアへの移住労働者の73%が移住のために借金をし、返済のために平均でまる一年働きづめの生活を送るということが判りました。

「雇用者側が支払う」モデル、と政府や事業者が行う活動についての認識が世界的にも地域的にも高まり、この流れはこれからも広がっていきそうです。この変化を牽引、支持するための倫理的雇用に関する国際指標は、国際労働機関が策定した公正な雇用のための一般原則や運用ガイドラインに反映されています。それら原則・ガイドラインは、政府・労働者および雇用者の代表者、国際移住機関とマルチステークホルダー連合により作られた国際採用規範システム(IRIS)とともに策定されました。

二つ目の改革は、高度な技術を持たない労働者、特に移民労働者が雇用者が求める技術を認識し、技術訓練をする機会を増やすことです。自国労働者および移民労働者、事業に利益をもたらすことのできるマーケット主導型のカリキュラムを展開させるためには、雇用者と出身国・移住先の国の訓練機関のパートナーシップを構築することが必須です。さらに、能力開発や技術のバリデーションを増やすことで、移住労働者の経済的貢献度の幅を広げ、貢献度を上げることができるでしょう。

三つ目は、移住労働者は男性も女性も、いかなる職種であっても、完全に労働、および社会保護法の対象であり、虐待に対し、正義と救済を求める権利があることを確実にすることです。

現在、多くの移住労働者が十分な保護が受けられないところで働いています。労働と移住労働者の人権の保護のために効果的な法的・産業的規定を導入することは、移住先労働市場の労働条件に関する底辺への競争の防止だけでなく、移住労働から得る利益も増やすでしょう。

先だって採択された、移住労働者の権利の保護と伸長に関するASEAN合意と今後のその活動計画は、移住労働者の権利に関する問題についての地域的な協力を後押しすることが可能です。

現時点では、たいていの移住労働者は、移住労働が自分達の選択であったとしても、移住経験を良いものにするかどうかをコントロールできるような力はありません。移住労働者やその家族、彼らのコミュニティにとってのリスクを減らし、見返りを増やすには、ASEAN地域内の労働移住の管理の現状を変える必要があります。

我々は皆、いったん立ち止まり、移住労働者が我々の経済・社会に貢献することでもたらされるメリットを得る方法を考えるべきです。そして、移住労働者が公正な扱い、彼らが手にしたチャンスをきちんと受けられることを確約し、彼らにお返しをするべきでしょう。

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