また一人の移民の死

「移住労働者がASEANの経済成長の原動力となっていることを認める、ASEANの移住労働者の権利の保護と促進に関する合意は、移住労働者に働きがいのある人間らしい仕事、公正な扱い、正義、道徳的雇用、技能訓練および開発、そして労働市場に関する情報を含む情報を保証しています。」

この文言は、2017年11月14日にASEAN首脳陣により採択された「歴史的な」合意について述べられたもので、インドネシアによる外交協力についても言及しており、強く合意が求められました。最初はまとまりがなく、効率的ではないかもしれませんが、少なくともASEAN諸国政府にとって、我が国を行き来する移住労働者の保護基準のベンチマークとしての役割を果たすはずです。

この文書の基本メッセージは、「コミュニティを重んじ、共有する」というASEANのスローガンを明確に表しています。けれども、合意セレモニーからわずか数ヶ月で、インドネシアからマレーシアへの家事使用人の一時停止措置を検討しています。これは2月11日、マレーシアでインドネシア出身の家事使用人が殺害された事を受けたものです。アデリナ・リサオさん(21歳)の家族は、最愛の娘を失い、東ヌサトゥンガラ州(NTT)の村まで運ばれた棺を受け取りました。

NGO団体のミグラント・ケアによると、昨年、海外へ出稼ぎに出ていた62名のNTT出身者が亡骸となって帰国している中、今年初めからは、同省出身の9人の移民労働者が亡くなっているとのことです。

海外労働は、保護保障がほぼないにも関わらず、多くの人が従事しており、また労働者のほとんどが若い女性です。この海外労働については継続的に調査が行われており、移住労働者を安全に派遣するために、いかに保障の改善をおこなうべきか、徹底的かつ迅速な審査が早急に必要とされていることが、明らかになっています。

マレーシア紙の社説によると、「モンスター雇用者」のもとで、アデリナさんは食事もろくに与えられず、雇用先の飼い犬(ロットワイラー種)とテラスで寝ることを強要されていたとされています。時すでに遅しではありますが、彼女の死をきっかけに、既に失効した移住労働者に関する覚書(MoU)について、隣国政府と話し合いを再開する時なのかもしれません。

けれども、マレーシアとの間の覚書の効力があるのは2年だけで、インドネシアからの移住労働者のためにも更なる保護を求めており、政府は更なる対応が必要です。

2017年11月、移住労働者の保護に関する法律が可決しましたが、我が国民の基本的人権の保護義務はまだ可視化されているとは言えません。可決した法律は、その主な保護義務を地方政府に持たせ、移住労働を望む人々のためにワンストップサービスを行い、違法ブローカーや、無責任な人材紹介会社、人身売買行為などから守ろうとしています。

インドネシアでは1980年代から海外移住労働者を送り出していますが、労働者の安全保障改善には時間がかかっています。研究者や活動家の根本的な解釈は、手に職もなく、教養もない貧しい女性への軽視、そして、そんな彼女らが指示されたことを頻繁に間違えることで、雇用者の不満が引き起こされるのではとしています。

この概念は何世代にもわたり、使用人は良い家に住み込みで働けることに感謝さえしていれば良いという考えの人間を作ってきました。家事労働者が議員にとって重要ではないのも納得です。

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